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Team DiET Colloquium vol.9
ACCORD試験における強化療法の長期的影響
Long-Term Effects of Intensive Glucose Lowering on Cardiovascular OutcomesThe ACCORD Study Group
(N Engl J Med 2011; 364:818-828 | March 3, 2011)
http://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa1006524
【背景】
2型糖尿病は、心血管系イベントの強力な独立したリスクファクターであると、
報告されており、それを受け、ACCORD studyがはじめられたが、
2008年の中間報告において、2型糖尿病を有し、心血管疾患リスクの高い患者に
強化療法(目標HbA1c<6.0%)を行うと、死亡率が上昇することが示されました。
その後、強化療法は中止となり、全ての参加者は試験終了まで通常療法が続けれられた。
【目的】
平均3.7年のデータで、強化療法群における死亡率の高さが浮き彫りとなったが、
今回、平均3.7年間の強化療法を行った場合の5年死亡率および
主要心血管イベントの5年発症率について報告する。
【方法概要】
■対象
40~79歳の2型糖尿病患者で、HbA1c 7.5% 以上。
過去に心血管系疾患の既往もしくは心血管疾患の追加危険因子を有する患者。
■割付(無作為割り付け)
・強化療法群(目標HbA1c<6.0%)
・通常療法群(目標HbA1c:7~7.9%)
※ただし、強化療法群の死亡率が高かったため、平均3.7年の追跡後、強化療法を中止。
その後全ての参加者の目標HbA1c値を7~7.9%とし、予定試験終了時まで追跡した。
■主要評価項目
非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管系イベントによる死亡
■評価
強化療法群における標準療法群に対するハザード比を算出
【結果概要】
全追跡期間を通して、主要評価項目におけるハザード比に有意差は認められなかった。
しかし、強化介入中止後も全死亡率・心血管死亡率は、強化治療群が高いままであった。
ただし、全追跡期間を通して、非致死的心筋梗塞による死亡率は強化治療群が低い値となった。
強化介入の中止後、強化療法群のHbA1cは6.4%から7.2%へ上昇した。
(通常治療群は、7.5%から7.6%へ上昇)
また、強化介入中止後の重症低血糖発生率は両群で有意差は認められなかった。
血糖降下薬の使用、その他の有害事象発生率についても同等であった。
【結論要旨】
・心血管系疾患のリスクが高く、長期罹病歴のある2型糖尿病患者において、
多剤併用強化療法は標準療法に比べ、高い死亡率をもたらした。
そのため、このような2型糖尿病患者には、HbA1c<6%を目標とするような
強化療法は推奨できない。
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【Team DiET の議論】
現時点では、強化療法群の方が死亡率が高くなってしまったが、
強化介入中止後は全死亡率の急激な上昇が認められなかったことから、
負の遺産効果は小さいと考えられる。
更に本論文の評価は、強化療法中止後の約1.5年を含めた計5年間の評価であるため、
10年、20年後の長期追跡で見てみると、強化療法での優れた遺産効果が現れるのかもしれない。
※追記:本論文におけるHbA1cはNGSP値であるため、
JDS値として読むのであれば、記載値-0.4(%)とすること。
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