神経伝達物質のアセチルコリンを分解し、 神経終末に取り込まれるようにする酵素の名前
略名:ChE
<コリンエステラーゼを阻害しアセチルコリンの効果が増強されると>
毛様体筋・瞳孔括約筋収縮ーシュレム管解放ー眼房水排出ー眼圧低下ー緑内障治療
瞳孔括約筋収縮ー縮瞳ーアトロピンで散瞳させた状態の終息ー近視化・暗黒感
(副交感神経系優位、消化管運動亢進、気道分泌亢進、排尿困難改善)
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬:塩酸ドネペジル(商品名:Google:アリセプト(製造販売:エーザイ))
有機リン化合物のサリンやパラチオンなどは、強いコリンエステラーゼ不活性化作用をもつ。
ヨウ化プラリドキシム(PAM)は、コリンエステラーゼ賦活作用を有し、有機リン化合物中毒の治療に用いられる。
塩化ベタネコールは、コリンエステラーゼの作用を受けやすく、治療薬として用いられない。
塩化エドロホニウムは、可逆的コリンエステラーゼ阻害薬であるが、その作用は弱く効力の持続も短いので、治療よりは重症筋無力症の診断に使用される。
臭化ジスチグミンは、シュレム管を圧迫閉塞させるので、緑内障がある患者には用いられない。
(薬剤師国家試験 85 126)
眼底検査のための散瞳には、作用持続の短いコリンエステラーゼ阻害薬抗コリン薬のトロピカミドが用いられる。
(薬剤師国家試験 90 139)
塩化エドロホニウムは、作用持続の短いコリンエステラーゼ阻害薬で、重症筋無力症の診断に使用される。
(薬剤師国家試験 89 123、薬剤師国家試験 87 207)
ヨウ化プラリドキシムは、有機リン剤によりカルバモイル化リン酸化されたコリンエステラーゼを活性化させる。
(薬剤師国家試験 86 149)
血清コリンエステラーゼ(ChE)の活性測定は、農薬(有機リン剤など)やサリン中毒の際に診断的価値がある。
(薬剤師国家試験 87 188)
治療薬として、副交感神経作動薬、抗コリンエステラーゼ薬、アドレナリンβ遮断薬、交感神経作動薬、炭酸脱水酵素阻害薬が単独又は併用で用いられる。
作用持続の長い抗コリンエステラーゼ薬ヨウ化エコチオパートは、ときに白内障を生じることがある。
(薬剤師国家試験 84 204、薬剤師国家試験 85 201(緑内障治療))
ネオスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害作用を有し、手術後の腸管麻痺や排尿障害に用いられる。
(薬剤師国家試験 89 121)
(塩化ツボクラリンは)コリンエステラーゼ阻害薬との併用により,筋弛緩作用が減弱する。
(薬剤師国家試験 87 127)
コリンエステラーゼ阻害薬臭化ネオスチグミンは、消化管運動を亢進(高進)する。
(薬剤師国家試験 84 136)
マラチオンは、昆虫体内で代謝により活性化されて、コリンエステラーゼ阻害作用を発現する。
カルバリルは、代謝による活性化がなくても、コリンエステラーゼ阻害作用を示す。
パラコートは、現在わが国において中毒事故が多い有機リン系の除草剤である。
(薬剤師国家試験 90 082(農薬))