薬剤師国家試験 第90回 第208-209-210問

下記の症例の臨床経過を読んで、問に答えよ。

現病歴
50歳の男性、15年前に検診で尿タンパクを指摘され、精査により慢性糸球体腎炎と診断された。5年ほど前から高血圧も指摘されるようになった。
最近、排尿時にいきまないと尿が出にくく、夜間に尿意で何度も目が覚めるようになったため来院した。現在、薬物治療は受けていない。
既往歴:気管支ぜん息
家族歴:母 高血圧症、脳血管障害にて死亡(70才)
嗜好品:喫煙 1日20本、アルコール 1日ビール350mL
身体所見:身長160 cm、体重56 kg、血圧165/95 mmHg、眼底所見正常、胸腹部異常なし、直腸指診にて前立腺肥大あり、心電図正常、胸部X線:心胸郭比 (CTR) 45%、肺野正常
臨床検査値(括弧内の値は基準値)
白血球数6000/μL (4500〜9000)、血色素量15 g/dL (13〜18)、血小板数25×104/μL (13〜40×104)、尿素窒素(BUN) 30 mg/dL (8〜20)、血清クレアチニン1.4 mg/dL (0.7〜1.5)、総コレステロール300 mg/dL、HDLコレステロール30 mg/dL、トリグリセリド310 mg/dL、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT) 20 IU/L (6〜43)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST) 25 IU/L (11〜40)、γ-グルタミルトランスペプチダーゼ (γ-GTPまたはγ-GT) 40 IU/L (50以下)、空腹時血糖100 mg/dL、グリコヘモグロビン(HbA1c) 5.0%、前立腺特異抗原1.0 ng/mL (4.0以下)、尿タンパク陽性

問208

この患者の臨床背景と病態に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a Cockcroft-Gault法により推定した患者の入院時のクレアチニンクリアランス値は約50 mL/minである
b 尿タンパク陽性は、糖尿病性腎症による可能性が高い
c この患者の体格指数〔body mass index:体重(kg)/身長 (m)2〕は約22である
d 病歴と検査値から、アルコール性肝障害が疑われる
e 検査値から、高脂血症が存在するといえる

1(a、b、c)  2(a、c、e)  3(a、d、e)  4(b、c、d)  5(b、d、e)

問209

この患者高血圧治療に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 腎障害があるので、降圧目標値は腎機能正常患者よりも低く設定するべきである
b アンギオテンシン変換酵素阻害薬は、治療薬の候補の一つとして推奨される
c 患者病歴血清脂質値から考えて、アドレナリンβ受容体遮断薬は最良の降圧薬である
d 前立腺肥大症を合併しているので、Ca2+チャネル遮断薬を用いるべきではない
e アドレナリンα1受容体遮断薬が治療薬の候補の一つとして推奨される

1(a、b、e)  2(a、c、d)  3(a、d、e)  4(b、c、d)  5(b、c、e)

問210

一般に、腎機能がクレアチニンクリアランスとして10 mL/min程度まで低下し た患者(70 kg)において、患者の全身クリアランスが健常人(70 kg)の50%以下に低下すると予想される薬物の正しい組合せはどれか。

薬物名 F(%) CL(L/h) Vd(L) fu Ae(%)
a
ジアゼパム 100 1.6 77 0.02 1以下
b
アテノロール 56 8.4 67 0.95 94
c
塩酸プロプラノロール 26 67 300 0.13 0.5以下
d
ベシル酸アムロジピン 74 25 1120 0.07 10
e
硫酸ゲンタマイシン 一 5.4 22 0.90 90以上

F:経ロバイオアベイラビリティ(経口投与が行われない薬物については一で示した)、CL全身クリアランスVd分布容積fu血漿中遊離形分率Ae未変化体尿中排泄率

1(a、b)  2(a、c)  3(b、e)  4(c、d)  5(d、e)



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Last-modified: 2007-09-21 (金) 14:08:34 (4635d)